Google Pixel 4のSoliレーダーで動くアプリ開発のベース環境を作った
Soli Sandboxアプリを経由し、Google Pixel 4に搭載されているミリ波レーダー「Soli」を入力インターフェースとしたWebアプリ開発環境を構築する。
Intro
2019年にGoogleがリリースしたGoogle Pixel 4 / 4 XLには、Google / Infineon製の60GHz帯ドップラーレーダーセンサーのチップがフロント側上部ベゼル内に搭載されています。Google Pixel 4では、このセンサーにGoogle ATAPが開発した独自AIモデルを連携させることで、スマホに直接触れることなく曲送り、再生停止、アラームのスヌーズ / ストップが可能となっています。
2020年にはGlitch上でWebアプリを作成し、Soli SandboxアプリからURLを指定することでSoliレーダーを入力インターフェースとして操作可能な開発環境が提供されていましたが、2025年にGlitchのアプリホスティングが終了したため、Soli Sandbox上での開発も困難となりました。
Soli Sandboxでは任意のURLを指定して開発が可能なため、PCでNode.jsのローカルサーバーを起動し、そのサーバーにアクセスすることで即時反映可能なSoliレーダーWebアプリ開発環境の構築を試みました。
複雑な制約
Soli Sandboxには厳重なセキュリティ制約が存在することが、開発中に判明しました。
- HTTPSでないと接続が認められない
- URL入力ボックスにどのようなURLを入力しても、アプリ側で強制的に
https://に置き換えられます。この制約により、SSL/TLSによる暗号化が必須となります。
- URL入力ボックスにどのようなURLを入力しても、アプリ側で強制的に
- Soliレーダーを有効化するためのGoogle独自署名の存在
- HTTPS必須を回避するため、文字列置換コードを排除した独自パッチAPKを作成・インストールしても、APK署名がGoogleのものではないため、Soliレーダーを起動するMotion Sense Bridgeによってレーダーの有効化が認められず、独自APKではSoliレーダーが使用不可能でした。
以上の制約から、ローカル環境のURLをHTTPS化して正規のSoli Sandboxアプリに読み込ませる以外に選択肢がないことが分かりました。
最終的な環境
前述の制約からAPKの改変による回避は困難であるため、最終的にはSoli Sandbox公式APK + Cloudflare TunnelによるローカルサーバーのHTTPS化で環境を構築しました。
リポジトリ / 使い方
以下のGitHubリポジトリをクローンしてローカルサーバーを立ち上げ、Cloudflare Tunnel経由で発行されたHTTPS URLをSoli Sandboxアプリに入力することで、PC上でリアルタイムにWebアプリを開発できるようになります。
- リポジトリ: rsu-Suba/Soli-Radar
npm installnpm startまたはnode ./server.jsnpx -y cloudflared tunnel --url http://localhost:3000
Outro
スマホとしてはGoogle Pixel 4シリーズにしか搭載されなかったSoliレーダーですが、開発次第で大きなポテンシャルを秘めています。Soli Sandbox経由ではGoogleが提供したSwipeやReachなどのAIモデル推論後のアクションしか取得できませんが、いずれはSoliレーダーの生データの解析も行うことを目指しています。
- リポジトリ: GitHub - rsu-Suba/Soli-Radar